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鱈一式

先日、お客さんからの要望で鱈の料理を作った
そろそろ鱈も名残りに入る時期ではあるが、作りがいのある素材でもある

身自体にはあまり特徴の無い味だが、如何様にも調理できる
今回は鱈料理と、もうひとつタラキクの違いを味わってもらうコトをコンセプトにした

真鱈背の昆布〆カルパッチョ・生タラキク スダチの果汁で作った黄身酢とバルサミコのソース

 昆布の旨味を2日間かけて移した新鮮な鱈はなんともはや独特の旨味を出してい、
 軽く湯がいたキクの弾けそうな表皮とソレが弾けた時の幸せ感は陶酔できる

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鱈の内臓を使ったテリーヌ・タラキクのフリット添え 柚子胡椒のソース
 
 内臓は胃袋と肝を下処理し、タラコの炊いたのとを
 鱈のすり身で巻いて蒸し上げたもの
 胃袋の食感、肝の濃厚さ、タラコの粒粒の旨味を上質の蒲鉾が覆っている
 それにカリッとした衣の中から滲むキクの濃厚でいてとろけるフリットが良く合っていた

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鱈と蕪とタラキクのスチーム・しょっつる風味

 一度ポアレした鱈は、身を引き締めつつ旨味を出す
 蕪のとろける前の食感とのコントラストが好きでたまらない
 最後に投入し、軽く蒸し上げたキクは勿論最大級の旨味を引き出すため

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鱈のアラと生タラコのパスタ

 ボクは和風と称している、たらこスパゲッティが好きになれずにいた
 食べては美味しいのだが、どうも和風の意味を履き違えているように感じたからだ
 今回メニューに載せたのは、一線を画すため
 どこが違うのかと問われれば明確には答えられないが、ボクの中ではそう云うコトだ 

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タラキクの塩焼き

 タラキク料理で何が一番その持ち味を引き出すか?
 其れは塩焼きであると感ずる
 あの香ばしさ、表皮と内からはみ出してくるようなクリーミーでいて濃厚な洪水は
 ボクの全身を痺れさせてくれる

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5kgの♂鱈を2本。それとキクを2kg。生タラコ1腹。

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生食できる新鮮なタラコはこんなに大きかった。きっと10kg級の鱈の卵であろう
それをじねんぼう時代に作ったレアピ「酒煎り塩」で味付けし、パスタに使った
あまりにも大漁だったので残りは甘辛く炊いて、テリーヌとまかない行き^^



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魚には「耳石」なる平衡感覚を司る器官がある
魚には1尾に1こ
ボクの耳石はちゃっこそうだなぁ...
by kuccina | 2012-03-02 10:30 | 料理